1971年発売
全米最高位1位
全英最高位1位
自分たちのレーベル、「ローリング・ストーンズ・レコード」からの最初のアルバムであり、ミック・テイラーがフルで参加した最初のアルバム。
数曲は69年にソウル・ミュージックの故郷、アラバマのマッスルショールズで録音されており、残りは70年にロンドンのオリンピック・スタジオで録られている。71年4月23日リリース。
ジャケットはあのアンディ・ウォーホルのデザインで、本物のジッパー付きジャケットが当時は話題になった。
収録曲
- ブラウン・シュガー – Brown Sugar 3:50
- スウェイ – Sway 3:51
- ワイルド・ホース – Wild Horses 5:42
- キャン・ユー・ヒア・ミー・ノッキング – Can’t You Hear Me Knocking 7:15
- ユー・ガッタ・ムーブ – You Gotta Move 2:32
- ビッチ – Bitch 3:36
- アイ・ガット・ザ・ブルース – I Got The Blues 3:53
- シスター・モーフィン – Sister Morphine 5:31
- デッド・フラワーズ – Dead Flowers 4:03
- ムーンライト・マイル – Moonlight Mile 5:56
雑感
説明不要な程有名な、①のギターリフから始まるこのアルバム。
まさに、ストーンズの新しい時代が始まるという幕開け的なオープニングです。
全体的な印象は、前作の「Let It Bleed」の継続的なものですが、
全体に漂っていた緊張感はだいぶ薄れ、より幅広くブラックミュージックを取り入れている感じ。
サザン・ソウルばりのドタドタしたリズムが印象的です。
それにしても、何なんでしょう、この貫禄は。
④のニューオリンズ的なノリ、
⑤のブルース解釈の深み極まるセンス、
③、⑨のカントリー&ウェスタンの完成度。
「ベガーズ・バンケット」でつかんだ、
彼らのルーツ・ミュージックに対する付き合い方を進化させています。
個人的に、このアルバムで最も好きなナンバーは、③です。
ストーンズ・ファンが最も好むバラードだと言われているこの曲は、
69年のマッスルショールズのセッションで録音されたナンバーですが、
69年のツアーでのキースの心境を綴った歌だとも言われています。
「たとえ野生の馬に引きずりまわされようが、おれの気持ちは変わらない」
英国人がよく使う言い回しだそうですが、
当時生まれたキースの第一子を妻(アニタ・パレンバーグ)にまかせながらツアーには出たくないという気持ちを、ミックが非常に感動的なボーカルで聴かせてくれます。
昔、ミックテイラーとキースが二人だけで録った、
歌なしのテイク(多分、お遊び的なヤツ)を聞いたことがありますが、
それはもう、素晴らしい出来でした。
ミックテイラーの才能がよくわかるテイクでしたね、
余談でした。
ちなみにこのアルバムは、ドラッグに関する曲が多く、
①はヘロインのスラングで、⑨もヘロインのことを歌った曲とも言われています。
そして、⑧はそのままモルヒネのこと。
おかげで、スペイン盤はこの曲の代わりに「Let It Rock」が収録されています。
ストーンズが一番ストーンズらしかった70年代の幕開けのアルバムであり、
「60年代末の例の2枚」にも勝るとも劣らない評価を得ているアルバムです。
①のようなキャッチーな曲も収録されているので、
初心者の方が最初に聴くアルバムとしてもいいかもしれません。
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