山下達郎の曲を自分なりにランキングしてみました。
基準は単に「好きな曲」です。
順番を付けるのはなかなか難しいものがあるのですが、これしないと意味がないので頑張ってランキングしてみます。
一応、ルールは設けないと、ということで、いくつかの決まり事を。
- 山下達郎が自身のソロデビュー以降にソロ名義で発表した曲。
- 山下達郎初心者にもおすすめできる曲。好きな曲であるのと同時に、あまりマニアックにならない。
2つだけですが、これだけは縛りを付けてランキングしてみます。
山下達郎の名曲 極私的ベスト10
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10.DONUT SONG
「COZY」収録。
ミスドのCMソングで、オファーがあって制作された曲です。リズムは「ディドリー・ビート」。「ジャングルビート」とも言ったりしますが、ボ・ディドリーがよく演奏したR&Bのリズムパターンです。実際、達郎氏のライブではこの曲に合わせてボ・ディドリーの「mona」のさわりの部分を歌ったりしていますよね。もっとも、この曲はR&Bにならず完全に達郎サウンドです。
歌詞がなんともイカしています!こういう詞、好きですね。歌中に出てくる歌詞「夏の公園通りが揺れる」というのは、その昔、渋谷公園通りの渋公向かいにあったミスドからの景色なのかなと想像してしまいます。
とにかく楽しい曲だし、ドーナツ大好きな自分には外せない曲です。
9.DANCER
「SPACY」収録。
ソロになってから数年、70年代の作品は、自分のルーツミュージック色が濃く、いわゆる「達郎サウンド」の確立前だったと思うのですが、この曲もその例に漏れないのかなと。
高校時代の先輩をイメージして書いた曲だとか。
この曲が収録されている「SPACY」は評価の高いアルバムですが、この中で私の最も好きな曲です。キーボードの使い方や難解気味の歌詞もあり、ちょっと不思議な感覚に包まれている曲ですね。
8.SPAKLE
「JOY」収録。
スタジオ盤は「FOR YOU」に収録されていますが、こちらはライブアルバム「JOY」に収録されているヴァージョンです。私はこの曲に限っては断然こっちのヴァージョンが好きです。
この曲は何と言っても達郎自身が弾く16ビートギターカッティング。力強く切れ良くグルービーなカッティングです。SPAKLEのそれは16ビートギターカッティングの教則曲としてもよく取り上げられる曲で、シンプルなフレーズですがレコード通りに切れ良く弾くにはなかなか難易度が高いです。
このライブヴァージョンですが、達郎氏のライブのすごさが一発でわかりますよね。「JOY」ディスク1の2曲目ですが、数多のライブでオープニングナンバーに持ってくる定番ナンバー。
とにかく、この演奏の強烈さったらないですよ、ホントに。本人のボーカルのダイナミックさ、パワフルさったらないし、しかも決して簡単ではないあのギターカッティングをしながらです。ドラム&ベースも強烈すぎるグルーブも半端ないです。まさにsparkle!
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7.クリスマス・イブ
「MELODIES」収録。
もうね、説明不要の日本のクリスマスソングのスタンダードですね。「山下達郎といえば?」と聞かれれば、殆どの人が真っ先に出てくるはず。
定番すぎると言えばそれまでなのですが、逆に誰もが「これはやられた」と言わざるを得ない完全無欠のクオリティーを誇る曲でもあります。
コード進行がクラシックにありがちなもの(俗にいう「カノン進行」の派生タイプ)だったことから、間奏にパッヘルベルのカノンをお得意の「ひとり多重コーラス」で演ってしまうなんて、おそらく世界中で山下達郎だけのような気がします。
山下達郎最大のヒット曲
この曲は山下達郎さん最大のヒット曲で1986年に発売以来累計で約190万枚売っているそうです。そして、37年連続チャートイン(top100)というギネス記録を持っています。
このクリスマスイブについてちょっと解説していますので、よろしければ。→ 山下達郎/クリスマスイブを解説してみた -
6.RIDE ON TIME
「RIDE ON TIME」収録。
「クリスマス・イブ」の次に、山下達郎の代表曲と認知されているであろう曲。
それまでは知る人ぞ知るミュージシャンだったのが、この曲によって一般的に認知されるようになりました。マクセルのカセットテープのCMのために書き下ろされた曲で、このCM、ご本人が出演している超絶貴重なもの。のちに、キムタク主演のドラマにも使われましたよね。
この曲のレコーディングに当たって、バンドメンバーの総入れ替え直後だったこともあり、結構リハーサル重ねたようですけど、アレンジ、非常に緻密ですよね。シングルヴァージョン、アルバムヴァージョンありますが、私はシングルヴァージョンの方が好みかな。
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5.マーマレイド・グッドバイ
「僕の中の少年」収録。
ホンダインテグラのCMに使われた4曲のうちの一つです。ホーボー(アメリカの渡り鳥労働者。日本風に言えば寅さんが近い?)をテーマにした歌詞でダイナミックな歌唱が印象的です。
この曲のポイントは、各インストのクオリティーの高さだと思います。かなり難易度の高いボーカルにゾクゾクするサックスソロ、そしてなんと言ってもドラム&ベースのリズム隊です!イントロのドラムフィルからもうゾクッとしますね。青山純&伊藤広規のコンビは永遠です。
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4.風の回廊
「POCKET MUSIC」収録。
インテグラCM四部作の一つ。なんでも、氏がデジタルレコーディングした最初の曲だそうです。お得意の多重コーラスが印象的で、特徴のあるベースラインが隠し味になっています。
達郎氏の書く詞の特徴として、ひとつが「甘酸っぱい情景性」があると思うのですが、この曲もそのパターンの曲ですね。この曲も郷愁感が漂います。昔の自分にもこんな心情があったかなーって。
達郎氏にはあまりないシンプルな8ビートですが、そこに乗っている音がきれいで心地よすぎます。
3.メリー・ゴー・ラウンド
「MELODIES」収録。
伊藤広規氏のスラップ奏法から始まるこの曲は、個人的に「tatsuro’s funk」の最高峰だと。当時の達郎サウンドの4リズム(ドラム:青山純、ベース:伊藤広規、ギター2本:山下達郎、椎名和夫)の絡みがたまらなくエキサイティング&セクシー。
夜の遊園地に忍び込んだ内容の歌詞ですが、元ネタは氏が高校時代、一時新宿高校に間借りしていたらしいのですが、そのときに、隣にある新宿御苑に夜忍び込んだエピソードらしいです。
夜の話だからなのか、ちょっとミステリアスというか、シュール感がありますね。キーボードの使い方やエコー、コーラスワークやソロがない間奏?があるのもどこか幻想的です。
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2.蒼氓
「僕の中の少年」収録。
個人的に非常に思い入れの強い曲で、大げさな言い方をすれば「救われた」曲です。確か、シングルカットはされていない曲なのですが、TVCMやゲームソフト「龍が如く」の主題歌に使われたりして知名度も高い曲ですね。
蒼氓(そうぼう)とは「民」「民衆」とかの意味で戦前の石川達三という小説家の作品の一説に出てくる主題だそうで。曲名もそこから取っていると思われます。達郎氏は以前、「市井の黙々と真面目に働いている人間が一番偉い」と発言しているので、歌詞のテーマは大衆賛歌的なものですね。
非常にゴスペルテイストあふれる感動的ナンバーです。静寂から荘厳なキーボードのイントロが響き静かに歌が始まります。
間奏のギターは達郎氏自身、そしてエンディングへ向かっていくコール&レスポンス(コーラスは本人、竹内まりや、桑田圭祐、原由子)もあって、「達郎ゴスペルの」完成。
とても神々しい曲ですね。
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1.僕の中の少年
「僕の中の少年」収録。
同アルバムのタイトル曲でありラストナンバーですが、車のCMでも使われました(インテグラ四部作の一つ)。リズムトラック含め、殆どのパートをコンピューターで本人がプログラミングしています。
ちょっと不思議な感じのするアレンジですね。シンセベースによる印象的なラインから始まりこれまたキャッチーなギターリフが絡む。詞は自分の中にある少年性の訣別で、この数年前にお子さんが生まれたことも作品に影響しているそうです。
人知れず想い出の
中に住む少年よ
さようならもう二度と
振り返ることはない「少年」は無論自分のことだと思いますが、大人になり親になった自分はもう「少年」と決別しなければならない、想い出に変えなければならないということでしょうか…
とにかく、詞もアレンジも、雰囲気がとても好きですね。小さい頃の郷愁感が漂います。
まとめ
集計した後に気づいたのですが、「僕の中の少年」から3曲もありましたね。やはりと言いますか、個人的に山下達郎と言えば「インテグラのCM」ですので、そのCMで使用された4曲はどうしても外せないのです。あの頃にときめいた感覚がいまだにあって、全然色褪せない。あのCMの約5年後、初めての愛車が中古の白のインテグラ3ドアでしたし。
70年代の曲もランクインさせたかったですが、ベストテンではどうしても圏外になってしまいます。
コメント
この記事を読ませて頂いて、とても感動しました。私は昔から山下達郎さんの大ファンです。私はクリスマスイブを聴いていると、20歳近く年下の彼女といつもデイトしていた日のことを思い出さずにはいられません。また私はミスドが大好きでよく通っていましたが、ドーナツソングも大好きです。どうもありがとうございました!
コメントありがとうございます。
今回のランキング、私が若い頃に想い出のある達郎ソングランキングでもあったかもしれません。人それぞれにそれぞれの思い出ありですね。