エリック・クラプトン。ご存知の通り、ギタリストとして半世紀以上長きにわたって活躍している世界的に有名な超ビッグネームアーティストです。
彼は、「Wonderful Tonight」のようにシンガーとしてたくさんの名曲を世に送り出していますが、世に出たのはギタリストとしてですし、今の地位を確立したのもギタリストとしての功績が大きなウエイトを占めています。エリック・クラプトン=ギタリスト、それが彼の本質なんだと思います。でも、ギタリストとしてのクラプトンって案外知られていないと思うのです。
そこで、エリック・クラプトンファン歴ン十年の管理人が、超私的ではありますが、「このギターソロは名演。知らない人ぜひ聴いてほしい」というギターソロの名演曲を10曲厳選しyoutubeでご紹介したいと思います。
よく知られている曲も出てきますが、マニアぐらいしか知らないような曲も出てきます。ので、一般に言われている代表曲とはちょっと違う部分もあることをご了承ください。
すべての曲が公式にリリースされているアルバムに収録されている曲になります。よろしければお付き合いください。
それと、アーティスト名や用語など、人によっては何のことかわからないよという単語も出てくると思います。極力リンク貼ってますので、知りたい方はリンク先へ、知ってる方どうでもいい方はスルーしていただければと思います。
では順位不動で行きます!
Have You Ever Loved A Woman
個人的に、クラプトンいちの名演は?と聞かれたらこの曲を挙げます。
フレディキングのスローブルースカヴァーで、1970年に発表されたデレク&ザ・ドミノス「いとしのレイラ」に収録されています。ボーカルはクラプトン自身、ソロはデュアン・オールマンと2コーラスづつ担当しクラプトンはイントロ、オブリガートと後半2コーラス。
まず言及したいのは、音色の美しさ。この時は、たぶんサンバーストのストラトキャスターとフェンダーアンプのセットだと思いますが、本当に色気があって美しい音色です。
近年はどんなギター弾いてても機種が分からんという場合も多いですが、これ以上ないというぐらいストラトの音で、アンプの特性もあるのでしょう、所謂枯れたサウンドが心地よすぎます。ビブラート時の若干くぐこもった音色なんてゾクゾクします。
もうひとつ言いたいのは、ブルースフィーリング溢れるギタープレイそのものでしょうか。「レイドバック」する前のクラプトンなのでグイグイ行く感じははありますが、この数年前のクリーム時代とは全くスタイルの違う、よりブルーステイストの強いプレイですね。
クリームとは志向している音楽が違うと言えばそれまでなのですが、アルバム全体通してアメリカ南部色の強い、土着的なプレイを聞かせてくれます。
自分がブルースギターにのめり込みキッカケを作ってくれた曲です。
Forever Man
シングルとしてもスマッシュヒットしたクラプトンの曲ですが、ギターなかなかの名演です。
この曲は1985年「ビハインド・ザ・サン」に収録された曲です。クラプトンが作った曲でもカヴァーでもなく、レコード会社であるワーナーからのオファーとしてシングル用に収録された曲です。もっとも、作曲者が「レイラ」「バッドラブ」路線のクラプトンソングを作ったので、なんら違和感なくクラプトンの曲として聴けます。
ソロは短めですが、実にクラプトンらしく、おいしいところがギュっと詰まっている名演です。この曲も音色が非常に色気がありますが、何なんでしょうねまったくw
ちなみにですが、PVに出てくるベーシスト、60年代からスタックスレコードのセッション、ブッカーT&ザMg’sで活躍したベーシスト、ドナルド・ダック・ダンです。オーティス・レディングのレコードでベース弾いていた人ですね。この頃はクラプトンのサポートメンバーだったのです。
Little Red Rooster
これは他アーティストのライブにゲスト参加したときのプレイです。ローリング・ストーンズが1991年に発売したライブアルバム「フラッシュポイント」での演奏をご紹介しましょう。
ウィリー・ディクスンが作曲した、ハウリン・ウルフの「The Red Rooster」が元歌で、ストーンズは1965年にカヴァー曲として録音し全英シングルチャートNo.1に押し上げています。
私、この音源の映像をブートレッグ(海賊版のこと)で観たことありますが、クラプトンは同じくゲスト参加のブルースマン、ジョン・リー・フッカーのバックとこの曲の2曲にゲストとしてギター弾いていました。
この時のステージでは、ガンズのアクセルローズも出ていて、なんだかスゴイ豪華なステージでした。
話戻りますが、この時の演奏が色々スゴイ。クラプトンのソロが始まると雰囲気が一変しまさにクラプトンワールド!それが可か否かは議論があるでしょうが、クラプトンが全部持って行ってしまったのは確かなようですw
弾きまくってるクラプトンをご堪能ください。
Good to Me as I Am To You
これは、クラプトンファンでもそれなりにのめり込んでいる方でないと知らないのではないでしょうか。
それもそのはず、他人名義の曲で、その人はアレサ・フランクリン!1967年「レディソウル」に収録された曲で、アトランティックサウンドと共にアレサのボーカルを盛り立ててます。
ソロではなく専らボーカルのレスポンスとしてオブリを弾いていますが、いやーこれはお見事!「こんなんベテランギタリストのプレイですやん!」と言いたくなります。自分が歌っているわけでもないしソロでもないし、絶対難しいと思うんですけどね、22歳の若造クラプトンは見事にアレサのボーカルに呼応しています。
While My Guitar Gently Weeps
説明いらずのビートルズ、いや、ジョージ・ハリスンのナンバーです。1968年発表の「ホワイトアルバム(通称。正式名は「the beatles」)」からのナンバーです。オブリガートとソローを担当していますが、まさに名演。他人曲ながら、知名度・演奏鑑みればクラプトンの代表曲ですよね。
チョーキングとビブラートでかなりの部分を占めているこのギター、なんという表現力でしょう。曲名をこれ以上ないぐらい体現している演奏に脱帽です。
この時のちょっとしたエピソード知りたい方、「クラプトンの名演-While My Guitar Gently Weeps」でどうぞ。
Five Long Years
1994年に発表されたブルースカバーアルバム「フロムザクレイドル」に収録されたナンバーです。ヤードバーズ時代にもカヴァーしたので再演という形になりますね。原曲は1952年に録音されたエディ・ボイドのヒット曲。
スローブルースナンバーですが、スローブルースにおけるこの当時のクラプトンのアプローチの典型例の曲ですね。かなりアグレッシブで、音が太く音数も多い。曲調が近い1970年の「Have You Ever Loved A Woman」と比べると面白いと思います。
Motherless Children
クラプトンってあまりスライドギターをプレイするイメージがないよと思っている方もいらっしゃるかの知れませんね。実際多くはないですが何曲かは名演を残しています。
クラプトンがドラッグ中毒からの復活第1弾「461オーシャンブルーバード」でのオープニングナンバーで、原曲は1927年にブラインド・ウィリー・ジョンソンがリリースした「Motherless Child」です。
メロディに若干原曲の雰囲気を感じられる程度で「なんでこの曲がこうなるんだ?」というくらい別歌ですが、そこはアレンジ力というのでしょうか、キャッチ-かつブルージーなスライドプレイを披露しています。
オープンAチューニング(もしくはオープンG2フレカポ)でプレイしていますが、このクラプトンのポップなセンスも素晴らしいですね。
それと、バックの演奏も良いですね。この頃はアメリカ南部系のミュージシャンで固めていた時期だったと思いますが、ベースがブリブリ、ドラムがドタドタ、サザンロックの手本のよう。
White Room
クリーム時代の代表曲ですね。「クリームの素晴らしき世界(1968)」に収録されていたナンバーですが、ここで取り上げたいのは、1991年にリリースされたライブアルバム「24ナイツ」に収録されたヴァージョンです。
バックにベースのネイザン・イーストやキーボードのグレッグ・フィリンゲインズなどのアメリカの超一流セッションマンを従え、クリーム時代とは異なるコンテンポラリーな演奏ですね。この頃のクラプトンのスタイルであるモダンかつ力強い泣きギターがさく裂!
ちょっと横道にそれますが、クラプトンてビブラートのかけ方が独特でそれが映像で確認できます。
教科書的にビブラートは、押弦している指とネックにひっかけた親指を支点に手首を使って弦を上下するのですが、クラプトンは押弦の指だけで親指はネックから離して上下に大きく震わせてビブラートをかけます。
通常のビブラート奏法もするので使い分けているということですが、この方が大きく速いビブラートがかけられますのでそういった使い分けなのかな?こんなビブラートかける人は私の知る限りでは他にいません。
Change The World
クラプトンの曲でもベスト3に入るほどの有名曲ですね。1996年映画「フェノミナン」サウンドトラック収録曲でグラミー賞の最優秀レコード賞・最優秀楽曲賞・最優秀ポップ男性ボーカル賞を受賞。
通常のエレキギターでのプレイではなくアコースティックでのプレイですが、バッチリクラプトン節が聴けます。アコースティック路線はクラプトン最大のヒットアルバムとなった「アンプラグド(1992)」からの流れですが、エレキ同様に素晴らしい演奏を聴かせてくれます。
Crossroads
古めのクラプトンファンでは、この曲をクラプトンいちの名演に挙げる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
クラプトンがクリーム時代のナンバーで、収録は「クリームの素晴らしき世界(1968)」、映画にもなった伝説のブルースマン、ロバート・ジョンソンが1936~7年にレコーディングした「Crossroad Blues」が元歌です。
原曲はギター1本のデルタブルースですが見事なロックナンバーに仕上げていますね。ボーカルもクラプトンです。
ギターソロは計4コーラスもあり長めのソロですが、特筆したいのはそのリズム感の良さ及びセンス。実際演ってみるとわかりますが、例えばこのギターリフ、この通りリズミカルに弾くのカンタンじゃありません。ソロ内でもリズム感の良さやセンスが光る部分が連発してきます。
おそらく、クラプトンはこういうの狙ってたり練習したりしてきたものじゃないと思うのです、自然に出来ちゃうんだと思います。フレーズそのものに特段惹かれるものはありませんが、ギタープレイ全般はやはり素晴らしいです。
それと、ジャックブルースのベース、すごいです。もうソロベースみたい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。こうしてリストを見てみると、ちょっと偏りがあるようですが、そこは好みということでご了承ください。
彼が出たての頃、それはセンセーショナルでロンドンの街には「Clapton Is God」という落書きがあったそうです。当時にもブルースギターを弾く者はいたと思うのですが、クラプトンほど弾ける者はいなかったという証ということなのでしょう。
もう70代半ばなので、最近はコロナのことでちょっとニュースで見たぐらいで何をしているのかわかりません。が、エリッククラプトンは特別のリズム感と歌心を持ったギタリストだと、あらためて実感しました。
コメント
レイラの録音時ミュージックマン社は存在してなかったのでは?一曲目はフェンダーチャンプとストラトの音では?
コメントありがとうございます。
調べてみましたらそのようですね、レコーディング時点では創立前のようです。
ありがとうございました。
The Core がない
コメントありがとうございます!
The Coreシブイ選択ですね。ちょっと今回思いつきませんでした。
別の機会ありましたら検討してみたいと思います。
Fender Stratocaster EC modelを手に入れてEC がステージでギターを変えない理由がわかりました。EC modelはブースターと9ボルト電池が内蔵されていて、クリアなトーンから重厚なオーヴァードライブサウンドまで1番下のノブで自在に調整できます。さらに一般的ストラトと違ってトーンコントロールはTBXになっており繊細な音色調整が可能。これで”Wonderful Tonight”から”Cocaine”までストラト1本で演奏できるんです♪ あとはマーティンのアコースティックギターで全曲ステージ演奏することがほとんどです。
管理人です。コメントありがとうございます!
レースセンサーですよね。私も一時期フェンダージャパンで発売されているモデルを持っていました。ミッドブーストのツマミがあって、それでストラトの音とハンバッキングに近い音を使い分けることができました。
あとネックにニスが塗られてなくて触り心地が良かった記憶があります。