もうだいぶ前のことですが、「世界でもっとも売れたアーティスト」
という資料を目の当たりにしました。
トップはビートルズだったかマイケルジャクソンだったか。
順位は忘れましたが、まあ納得です。それにエルビス・プレスリーや
ビング・クロスビーが続いていたと記憶しています。
そのトップ10の中に以外だったアーティストがありました。
レッド・ツェッペリンです。
確かに世界中で成功したバンドであったとは認識していましたし、
音楽史に残るビッグネームです。私自身も大好きなバンドです。
でも、そんな売れていたのね、という感じです。
何でも、トータルで約3億枚ものセールスだそうです。
ハードロックでここまで売ったバンドはないでしょうから、
世界でもっとも成功したハードロックバンドということになりますね。
衝撃的な出会い
私がツェッペリンに出会ったのは、80年代初頭。つまり、解散後です。
近所に住む10歳上のいとこが大のロックファン。
ジェフベックやクラプトン、ストーンズあたりが好きで
その中にツェッペリンも入っていました。
小学校高学年の頃から求めもしないのに色々レコードを聴かされていました。
「ベガーズバンケット」や「メインストリートのならずもの」なんかを聴かされて
「これいいだろ?」なんて感想求められても小学生の私には「???」です。
もっとも、この体験が10代後半から効いてくるわけですが、その頃はよくわかりませんでした。
その中で唯一聴いた瞬間から衝撃を受けたレコードが1枚だけあります。
正確にはそのレコードのオープニングナンバーだけですけど。
ツェッペリンの2枚目「led zeppelinⅡ」の最初の曲「whole lotta love / 胸いっぱいの愛を」です。
イントロのギターリフ、ボーカルのシャウト、ドラムの入り方、
ブレイク明けのギターソロ。衝撃的でした。
私がそれまで聴いてきた音楽といえば、アイドル、YMO、高中正義ぐらいでしたから、
それまでの音楽、そして、ストーンズにも反応しなかった私に雷が落ちました。
それが中学生になったばかりぐらいでした。
ツッェペリンはこの曲ぐらいでしたが、
それからの私はハードロック、へヴィメタルファンになりました。
そして、高中を聴いてエレキギターを始めた私は、
リッチーブラックモアやマイケルシェンカーに傾倒していきました。
「静」と「動」の融合
ツェッぺリンは、ギタリストのジミー・ペイジが、
ニューヤードバーズとして集めたメンバーで構成されています。
ベースはペイジと同じセッションマンとして活躍し、
アレンジやレコーディングにも精通していたジョン・ポール・ジョーンズ。
ボーカルがよそのバンドでで歌っていたロバート・プラント。
ドラムがそのプラントが引っ張ってきたジョン・ボーナム。
私はその辺の事情についてはよく知りませんが、おそらく、
たまたま集まった4人なのでしょう。
ペイジには明確なコンセプトは当初は無かったのだと思います、
実力はあるメンバーをということだったとは思いますが。
業界に精通し、レコーディング経験も多い緻密なアイデアを持つペイジとジョーンズ、
圧倒的な個人能力で観る者聴くものを圧倒する、唯一無二のプレイヤー、
プラントとボーナム。
まさに「静」と「動」がぶつかり合い融合している
レッド・ツェッペリンはこうして生まれたのです。
そんなかでレコーディングされ1969年早々に発表されたデビューアルバムの
「レッド・ツェッペリンⅠ」の1曲目に収録されているのは「Goog Times Bad Times」。
最初に耳に入るツェッペリンの音ですが、
当時のリスナーはどう思ったのでしょうか。
(アルバムは違いますが)私のように衝撃的だったのでしょうか。
まさに名刺代わりというか、短いですが、
メンバー各人の特徴が存分に発揮されているナンバーですね。
ツェッペリンサウンドの要はボンゾだと思う
レッド・ツェッペリンは、ブルースをベースとしたハードロック、
そして、アコースティック、民族音楽・・・etc
そういった音楽を演奏していたわけですが、私はそこが
本質ではないような気がするのです。
私は、レッド・ツェッペリン サウンドの本質は、
「ジョンボーナム」のドラムプレイなんじゃないかと思っています。
ジョンボーナムといえば、バスドラの大きさやパワフルなドラミング、
とかくマッチョ系のドラマーというイメージが強いですが、
小技もちょくちょく出してくるし、変拍子を得意としており、
パワーだけのドラマーではないのですね。
あの、稀代のテクニシャン、故ジェフポーカロも、ボンゾのプレーを参考にして、
有名なドラムパターンを編み出したりしています。
これは、そう思っている方とそう思っていない方、賛否両論に分かれると思うのですが、
ボンゾ(ジョンボーナムの愛称)のドラムは唯一無二、彼だけが出せる音だと思うのですね。
ジミーペイジのギターも最重要サウンドだと思いますが、
やはりボンゾだと思うのです、ひとつに絞れば。
それは、あの、独特のグルーブ感。
本当に感覚に近いものなのですが、彼にしか出せないグルーブ感です。
you tubeなどでよくツェッペリンのカバーバンドを観ます。
特に海外のカバーバンドは、本当によく研究して細部にわたって
気を使ってカヴァーしています。
しかし、仕方ありませんが、「コレジャナイ感」は否めません。
なんでだろう?
ボーカルなんてプラントそっくりだし、ジミーペイジも笑っちゃうぐらい真似ています。
しかし、ドラムのグルーブ感が違うので、どうしても、「・・・なるほどね」で終わってしまうのです。
そう思うと、
ボンゾは偉大だし、本当に唯一無二のドラマーなんだなと思います。
「John Henry Bonham Moby Dick !」
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