1972年発売
全米最高位1位
全英最高位1位
ストーンズとって、初の2枚組アルバム。
ミックやキースの家族問題により、スムーズにセッションが進行していなかったが、結局、無事に完成。
録音は、1971年5月~9月の間にフランスのキースの新居の地下室で大部分が録音されている。1972年5月12日に発売。
ジャケットは、写真家ロバート・フランクのフォトグラフによるもの。
収録曲
- ロックス・オフ – Rocks Off – 4:32
- リップ・ジス・ジョイント – Rip This Joint – 2:23
- シェイク・ユア・ヒップス – Shake Your Hips – 2:59
- カジノ・ブギー – Casino Boogie – 3:33
- ダイスを転がせ – Tumbling Dice – 3:45
- スウィート・ヴァージニア – Sweet Virginia – 4:25
- トーン・アンド・フレイド – Torn And Frayed – 4:17
- 黒いエンジェル – Sweet Black Angel – 2:54
- ラヴィング・カップ – Loving Cup – 4:23
- ハッピー – Happy – 3:04
- タード・オン・ザ・ラン – Turd On The Run – 2:37
- ヴェンチレイター・ブルース – Ventilator Blues – 3:24
- 彼に会いたい – I Just Want To See His Face – 2:52
- レット・イット・ルース – Let It Loose – 5:17
- オール・ダウン・ザ・ライン – All Down The Line – 3:49
- ストップ・ブレーキング・ダウン – Stop Breaking Down – 4:34
- ライトを照らせ – Shine A Light – 4:14
- ソウル・サヴァイヴァー – Soul Survivor – 3:49
雑感
オリジナルは2枚組のスタジオ盤で、地味ではありますが、
「ベガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」「スティッキー・フィンガーズ」
と並ぶ、「ロックンロール史の奇跡の4枚」と言われるうちの一つである、
「Exile On Main Street(メインストリートのならず者)」。
全体的な感じは、非常にリラックスしており、
酒でも飲みながらワイワイ楽しみながら演奏している感じですね
(適当にやっているように聴こえると言う意味ではありません)。
それと、ノリ的には当時のスワンプロック・テイストが強く出ている印象ですね。
こういった「余裕」と「自信」が、
出す音出す音が大きなうねりとなって迫って来るようで、
さらなる進化を感じずにはいられません。
こういった感覚はオープニングナンバーからラストナンバーまで隙間なく感じるわけですが、
特に感じるのは、ストーンズの代表曲であり、このアルバムの先行シングルにもなった⑤、
個人的にストーンズのカヴァー曲で最もお気に入りでロバート・ジョンスンの⑮、
2008年にマーティン・スコセッシ作のドキュメンタリー映画のタイトルにもなっている⑯あたりでしょうか。
⑮は、以前、作家山川健一氏の弟が「ロバート・ジョンスンがこのナンバーを聴いたら涙を流して喜ぶだろうな」と言ったそうで、非常にシンパシーを覚えた記憶があります。
チャーリー、ビル、キースの出す大きくうねりのあるリズムに、
イアン・スチュワートのピアノの隠し味、そこにミック・テイラーのスライド・ギターがさく裂し、
仕上げはミック・ジャガーのパワフルなボーカル&ブルース・ハープ・・・
ブルースをベースとしたロック・バンドの一つの理想形の演奏ではないでしょか。
そう思います。
繰り返しますが、このアルバムから遡ったスタジオ録音の4枚は、
ストーンズ・ファンの9割を超える人間がどれかを最高傑作として挙げますし、
ロック史を振り返っても外せないほどの名盤です。
ただし、ごく一部を除いてキャッチーな曲が無いため、
最初はとっつきにくいかもしれません。
個人的には、初来日の頃(あの頃はストーンズ・バブルでした・・・)
を除いて、日本でのストーンズは過小評価されていると思いますが、
これからストーンズを聴こうと思っている方は、
この4枚のどれでもいいですから、自分でお金を出して(自分のお金で買うことが重要です。
それが、「敬意」というものだと思います)早いうちに買って聴いてほしいと思います。
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