1988年10月発売。
オリコン最高位1位、
シングル:「踊ろよ、フィッシュ」19位、
「ゲット・バック・イン・ラヴ」6位。
アナログからデジタルに録音の主流が移り変わろうという時期で、
前作「POCKET MUSIC」から取り組んでいたコンピューターの導入が本格的に稼働してきた本作。
録音からミックスまですべて、今はなき東京・芝浦の系列スタジオ、スマイルガレージ。
収録曲
- 新・東京ラプディー – 4:32
- ゲット・バック・イン・ラヴ – 4:23
- The Girl In White – 4:13
- 寒い夏 – 3:33
- 踊ろよ、フィッシュ – 4:52
- ルミネッセンス – 5:43
- マーマレイド・グッドバイ – 4:43
- 蒼氓 – 5:59
- 僕の中の少年 – 4:52
雑感
本作は、山下達郎の通算9作目のソロアルバムで、
私が山下達郎のアルバムの中で最も好きで最も聴いたアルバムです。
冒頭の方でも述べましたが、山下達郎にとってデジタル録音が本格稼働したのが本作です。
達郎氏本人、この穴六レコーディングからデジタルレコーディングへの移行はかなり苦労・試行錯誤したそうです。もちろん、そういうことを経験したことがない私なんぞにはその苦労が理解できる由もないわけですが、それまでの方法論が通用しないということの戸惑いは理解できます。
前作の「Pocket Music」前々作の「Melodies」と比べると、サウンドの志向的には継続路線なのかなと感じますが、制作志向はちょっと変わってきたのかなと感じています。
これは、打ち込みの本格導入のことです。
前作でも「風の回廊」で打ち込みを経験していますが、「僕の中の少年」では「The Girl In White」「僕の中の少年」のリズムトラックを打ち込みで制作していますね。
次作以降、さらにこの傾向は増えていくので、時代の流れということもありますし、デジタルレコーディング時代ということもあるんでしょうけど。
CMの印象が強い
車に詳しいアラフォー以上の方はご存知だと思いますが、
ホンダって以前は結構人気あったんですよね。
もちろん、今が人気ないという意味ではありませんが、ホンダ特有のイメージがあったんです。
詳しくは長くなるので止めておきますが、「その頃」のホンダを象徴する車の一つに、
「インテグラ」という車種がありました。
当時は結構斬新で、まさに当時のホンダらしい車でした。
特に白のハッチバックのインテグラ、私も憧れたものです。
で、そのインテグラのTVCMには山下達郎の曲が何曲か使用されていて、
2曲だか3曲が使用されていたアルバムが「僕の中の少年」でした。
私の中では、そのCMの印象が非常に強く、なんだったら、山下達郎というミュージシャンの印象として大きなウエイトを占めるまでに至っています。
やっぱり達郎サウンド
このアルバムの収録曲では、③、⑦、⑧、⑨が特にお気に入りです。
⑦は、80年代の「達郎ファンク」路線なのでしょうか、青山純&伊藤広規がとにかく気持ち良いですね。
「蒼氓(そうぼう)」はJ-POP史に残る名曲
この曲のハイライトは⑧だと思います。
シングルカットもされていませんが、この曲をご存知の方も多いはず。
過去CMで何度か使用されていることもあると思いますが。
まさに「達郎版ゴスペル」ともいえるこの曲、
テーマとサウンドが壮大で神秘的です。
本人が弾いているギターソロも逸脱です。
まさに世紀に残る名曲ですね。
ちなみに、スタジオ盤は後半にあるコーラスには、妻である竹内まりや、
桑田佳祐・原由子夫妻が参加。
桑田の声は聴いていてわかりますネ。
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